ペトロナスツインタワー

圧倒的存在感を放つペトロナスツインタワーは2020年に先進国の仲間入りを目指すマレーシアの野心の現れ

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マレーシアのクアラルンプールに着いて、まず最初に目を惹かれたのは、クアラルンプールの中心にドーンと佇む「ペトロナスツインタワー」ですね。

見た目の迫力がハンパなかったです。日本にもニューヨークにもない質感のタワーだと思いました。

また、シングルでは出せない、ツインタワーならでは存在感があります。

夜はライトアップされるので、暗闇の中で一段と存在感を増します。

こちらでは、「Kuala Lumpur’s crown jewel(クアラルンプールの宝石)」と呼ぶ人もいるくらい光り輝いています。

東京だと東京タワーがきれいですが、それとはまた違う神々しさを感じます。

夜、「ペトロナスツインタワー」が光り輝いているだけで、クアラルンプールという街がグッとセクシーになります。

とにかく、昼も夜も存在感はすごいものがあります。

ペトロナスツインタワーの建設計画は1992年に始まりました。

背景には、当時の首相マハティール・ビン・モハマドさんの「ルックイースト政策」や「ワワサン2020構想」があります。

マハティール・ビン・モハマドさんは首相に就任した1981年に「欧米ではなく日本や韓国から学ぼう」という「ルックイースト政策」を唱えました。

日本や韓国はマレーシアから見ると東(イースト)に位置しているので、「ルックイースト=東を見る」と名付けられたようです。

さらに、マハティール首相は1991年に「従来の農作物や鉱産物の輸出、観光業に依存した体質から脱却して、マレーシアを2020年までに先進国の仲間入りを達成させよう」という「ワワサン2020構想」を打ち立てます。「ワワサン」は英語だと「ビジョン(Vision)」という意味です。

  • 1981年:ルックイースト政策
  • 1991年:ワワサン2020構想
  • 1992年:ペトロナスツインタワーの建設計画が開始

超高層ビルや超高層タワーは、国の経済力や技術力を見せる象徴として機能する面もあるので、ペトロナスツインタワーは「2020年に先進国の仲間入りを目指すマレーシアの野心の現れ」と見ることもできそうです。

ペトロナスツインタワーは「高さ452メートル・88階建てのオフィスビル」です。

マレーシアの国営企業ペトロナス(Petroliam Nasional Berhad)の本社でもあります。

1992年に計画開始、1993年から地面の掘削作業開始、建物自体の建設は1994年に開始しました。

そして、1996年6月に完成します。(ガイドブックなどには1998年完成と書いてあるものもありますが、公式サイトには1996年完成とあります。)

建築家はアルゼンチン出身でアメリカ人のシーザー・ペリ。

日本でも「愛宕グリーンヒルズ」や「日本橋三井タワー」などを手掛けている建築家です。

ペトロナスツインタワーの外面には、33,000枚のステンレス鋼(stainless steel)と55,000枚のガラス(glass panels)が使われています。

このガラスとステンレスの組み合わせが、唯一無二の存在感を演出しているように感じました。

ペトロナス・ツインタワーを施工したのは、日本の「ハザマ(現・安藤ハザマ)」と韓国の「サムスン物産」です。

噴水がある「KLCCパーク」から見て左側の「Tower1」を「ハザマ」が、右側の「Tower2」を「サムスン物産」が手掛けました。

「サムスン物産」はドバイの「ブルジュ・ファリハ」も手掛けています。

ペトロナス・ツインタワーの41階と42階(地上170メートル)には2棟を結ぶ「スカイブリッジ」があります。スカイブリッジはフランスの建築会社による施工です。

さらに、86階(地上370メートル)には「オブザベーションデッキ」があります。

「スカイブリッジ」と「オブザベーションデッキ」は一般公開されており、地下1Fで8:30から約1時間のツアーの入場整理券が配布されます。

ただ、人数限定のため当日の入手は簡単ではないでようです。

公式サイトでオンラインでチケット購入できるようなので、事前に予約購入しておいた方が無難かもしれません。

さらなる詳細は以下の通り。

  • 曜日:火曜日〜日曜日(月曜日は休み)
  • 時間:9:00〜21:00
  • 価格:大人(13〜60歳)RM85.00、子供(3〜12歳)RM35.00、シニア(61歳以上)RM45.00 ※税込価格

ペトロナス・ツインタワーの左側に建つ高層ビルは「ペトロナスタワー3(Petronas Tower 3)」という60階建てのオフィスやショッピングモールが入るビルです。

57階には「Marini’s On 57」というマレーシアで最も高層階にあるルーフトップバーやイタリアンレストランがあります。

右側に建つ時計が付いているビルは、マクシス・コミュニケーションズ(Maxis Communications)という携帯会社のビルです。日本でいうドコモみたいな感じでしょうか?

そして、さらに右側の建設中の建物がありますが、これは2018年完成予定の「フォーシーズンズホテル&レジデンス(Four Seasons Hotel & Residences)」です。

65階ですが、8〜18階に「フォーシーズンズホテル」が入り、上層階にレジデンスが入ります。このレジデンスはクアラルンプールで最高級の部屋になるとか。

「フォーシーズンズホテル」ができたら、ぜひ泊まってみたいですね。

北側から見たペトロナス・ツインタワー。

高速道路を挟んで、手前が昔ながらクアラルンプールで、奥が近代化されたクアラルンプールという感じで、全く違う世界が展開されています。

右側には「KLタワー」も見えます。

ペトロナス・ツインタワーがなければ、ありがちな高層ビルの風景になってしまうのかもしれませんが、ペトロナス・ツインタワーのおかけで唯一無二な景色が出来上がっています。

この絵だけ見ていると、先進国のどこかに来ているのかと思ってしまいます。

ちなみに、高さ452メートルのペトロナス・ツインタワーは1998〜2003年までは「世界で一番高いビル」でした。

しかし、2004年に台湾の「台北101(高さ509.2m、地上101階)」に抜かれてしまいました。

ただし、ツインタワーとしては依然として現在でも世界一の高さとなっています。

ただ、カンボジアのプノンペンで地上550m、133階建てのツインタワーが建つ計画があるので、これが予定通り完成したら、ツインタワーとしては高さ2位になってしまいます。

僕が宿泊した「グランド ハイアット クアラルンプール(Grand Hyatt Kuala Lumpur)」から見たペトロナスツインタワーです。

手前にあるテニスコートやプールがある茶色の建物は「マンダリン オリエンタル クアラルンプール(Mandarin Oriental Kuala Lumpur)」です。

クアラルンプールで一番ペトロナスツインタワーに近いホテルです。

次回、クアラルンプールに行ったら、ここに宿泊してみたいと思っています。

グランド ハイアット クアラルンプール(Grand Hyatt Kuala Lumpur)」から見た夜のペトロナスツインタワー。

僕が宿泊した部屋も、この景色が見える部屋でした。

ライトアップで光り輝くペトロナスツインタワーの上部。

マレーシアはイスラム教が国教ですが、ペトロナス・ツインタワーの尖塔部はイスラム様式のモスクをモチーフにしてデザインされたそうです。

僕もこんなオフィスで働いてみたいですね。

「KLタワー(クアラ・ルンプール・タワー)」の地上276メートルにある展望台から見たペトロナスツインタワーです。

この写真を見ると、ペトロナスツインタワーを見下ろしているように見えるかもしれませんが、「KLタワー」の高さは421メートルで、452メートルの「ペトロナスツインタワー」よりも低いです。

ただ、「KLタワー」は標高94メートルのブキッナナス丘の上にあるので、展望台の高さは実際の高さよりも高いところに位置しています。

この日はあまり天気が良くなく、霧がすごかったので、遠くまで景色がはっきりと見えませんでした。

「KLタワー」に登るのは、晴れて空気がクリアな日をオススメします。

「ペトロナスツインタワー」の下には、6F建ての「SURIA(スリア) KLCC」というショッピングモールが入っていて、目の前には広場や池があります。

「SURIA(スリア) KLCC」の入口付近は、多くの人が待ち合わせなどに使っている場所のようでした。

この出入口は池がある方とは反対側の北側の「SURIA(スリア) KLCC」の入口です。

ISETAN(伊勢丹)も入っていて、日本食もここで買うことができます。

北側のもう1つの出入り口。

北側から見上げたペトロナス・ツインタワーのフルショット。

景観のためか、周囲のビルと色が統一されているようにも見えます。

「マレーシア・ツーリズム・センター」から見たペトロナスツインタワー。

左側に建設中の建物がありますが、この建物内には「Wホテル クアラルンプール」が入る予定だそうです。

完成予定は2018年3月31日で、ペトロナス・ツインタワーからは徒歩6分の距離です。

こちらも、次回泊まってみたいホテルの1つですね。

この建物は55階建てですが、「Wホテル クアラルンプール」は8~23階までで、その他は「Tropicana The Residences(トロピカーナ ザ レジデンス)」というレジデンスになります。

先ほどの「フォーシーズンズホテル&レジデンス(Four Seasons Hotel & Residences)」もそうですが、最近の新興国では「ホテル+レジデンス」という組み合わせが流行っているようです。

日本だと、虎ノ門ヒルズ(アンダーズ東京)や東京ミッドタウン(ザ・リッツ・カールトン東京)がそれに近い形となるのではないでしょうか。家賃はめちゃくちゃ高いですけどね。50㎡で50万くらいしますから。。

ペトロナス・ツインタワーから北側に5分くらい歩いたところでは、「STAR RESIDENCES」という3棟構成のタワーマンションが建設中でした。

このマンションの屋上プールからも、ペトロナス・ツインタワーが見えるようです。

日本でも東京タワーが見える部屋の家賃が高いように、クアラルンプールでもペトロナス・ツインタワーが部屋から見えるマンションは高額なんでしょうね。

ただ、仕事から疲れて帰ってきても、屋上プールでこの景色を見ながらくつろげば、1日の疲れは吹っ飛びそうです。

※この旅は2015年12月のものです。

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